2022年10月18日 22時28分に
しろくろさん「本名:十一六(とひろ)」が
亡くなりました。

0 紹介用1

しろくろさんとは、2011年7月24日に
わたしの家に入ってもらってから
11年と3か月ほど、一緒に暮らしました。

当時、会社員を辞めたあと
これからどうしたらいいのか
路頭に迷っていたとき
規則正しい生活を取り戻すことの大切さを
教えてくれて、その後の彫刻制作活動を
一番身近で支えてくれたのが、彼。

3にゃんに、順番を付けるのは
良くないことなのかもしれないけれど
それこそ、お出かけしているとき以外は
ずーっと目の前にいてくれた
わたしにとって、一番特別なねこさんです。

0バランスくろねえさん

くろねえさんは、神社でわたしと出会ったあと
先代親分から売られた喧嘩に見事勝利して
神社親分になりました。

その後、わたしの家に入るまでの6年の間
常勝無敗であり続けました。

沢山のねこさんたちをまとめて
神社をお参りする人たちと交流して
ねこさんだけでなく、人間に対しても
物怖じしない、本物の親分になりました。

そのサクセスストーリーを
毎日目にしていたから、くろねえさんは
わたしにとって、憧れのヒーローのような存在です。

0 あかるクリクリおめめ

そして、あかるちゃんは
春先、わたしが神社のお参りに行こうと
玄関を出たら、すぐの場所に丸まっていたので
慌てて保護したねこさん。

生後一か月未満の乳飲み子を育てるのは
初めてだったので、不安も大きかったですが
実際に毎日過ごしてみたら、驚くほどに
手がかからなくて、拍子抜けしたほどでした。

しろくろさんからは、家での過ごし方のルールを
くろねえさんからは、ねこさんとしての
生き方のルールを自分から学んで
しろくろさんと、くろねえさんの
良いとこ取りをしたような、素直で
純粋なねこさんに育っています。

0 2ヘッドにゃん

おふたりとも、流行りの言葉で表現すると
「リア充」だと思うんですよね。

0 とひろクリクリおめめ

ならば、しろくろさんはどうか、というと
彼は「陰キャ」だと思うんです。

わたしと同じ。

しろくろさんは、わたしの家の裏庭で生まれた
ようなのですが、生後二か月を過ぎたころ
恐らくは、母ねこさんと思われるねこさんが
交通事故で亡くなりました。

母ねこさんが帰ってこなくて
探しに出てきたところを
わたしが保護したんです。

それからは、ずーっと
わたしと2人きりで過ごしました。

彼と出会う9か月前に、くろねえさんと
出会っていますが、一緒に暮らすねこさんは
彼が初めて。

なので、ねこさんの日常というのが
どういうものなのかもわからないまま
同居生活が始まりました。

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彼もまた、とても賢いので
わたしが教える人間のルールは
素早く吸収してくれましたが、
残念ながらわたしは、ねこさんとしての
生き方のルールを教えることができませんでした。

意思を伝える方法も、行動ではなく
おしゃべりでした。

さらに、わたしがだいぶ彼に依存した分
彼もそれに応えて寄り添ってくれたために
わたし以外の人間にも懐かなくなりました。

なんというか、わたしと一緒に
生活することに特化したねこさんに
なってくれていたように思います。

なので、第三者から見たら
人懐っこくて接しやすくてわかりやすい
くろねえさん&あかるちゃんに比べて
しろくろさんは、近寄りがたくて不愛想で
難解なねこ…だったと思います。

0とひろドリル

わたしが一人で育てたから、少なからず
歪んでしまったんだと思います。

でも、わたしにとっては
その歪みが心地よかった。

歪み方が、わたしと相似だったから。

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くろねえさんと、あかるちゃんが
おふたりでわくわく遊んでいるのを
少し距離を取って眺めている、しろくろさん。

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一緒に遊べばいいのに…なんて
声をかけるけれど、考えてみると
わたしも、おふたりに混ざるより
ここから見てる方が性に合ってるかも
…なんて思いながら、しろくろさんに並んで
黒女子たちの姿をボーっと目で追うのが
幸せだったりもしました。

これからもし、ねこさんとの
新しい出会いがあったとしても
彼のようなねこさんは
二度と現れないでしょう。

彼と「とひろ」の名前を
分け合えて良かった。

0とひろのパー

しろくろさんがいなくなってから
何日か経ちましたが、未だに

 やってあげればよかった

と思うことと同じくらいの数

 やらなければよかった

と思うことも浮かんできます。


…そういえば、しろくろさんの看護中。

ねこさんたちと出会ってからは
だいぶご無沙汰になっていますが、
小学生の頃から会社員になっても
ずーっと遊んでいたゲームのことを
思い出したものです。

 今、セーブできないかなぁ…

って。

やってみて、もしダメだったら
リセットして別の方法を試す…というのが
出来ないものかなぁ、って。

最善の道を引き当てられるまで
何万回でもリセットできないかなぁ、って。

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しろくろさん、病気になってから
だんだんと性格が丸くなってきて
それを、黒女子おふたりも
正確に理解できたみたい。

今までは、夜寝る時以外は
別々の部屋にいることが多かったけれど…

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昼間から、同じ部屋に3人でいる時間が
長くなりました。

しろくろさんが、カリカリをうまく消化できなく
なったあとは、しろくろさんの食欲が戻るよう
くろねえさんにも一緒に、半生食を食べてもらうようにしたら…

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同じ釜の飯を食うと、距離が縮まるんですね。

しろくろさんから、くろねえさんに
鼻チョン!をしたときは、わたしも
舞い上がるほどにうれしかったです。

くろねえさんが家に入ったのは
2016年12月28日。

0どういう状況?-2

その頃からの確執が続いていて
もう6年ほど、不仲だったんですから。

だから、しろくろさんの体調不良さえ治ったら
ついに、3にゃん一緒に仲良く過ごせるようになるんだ!

と、期待が膨らみました。

0 ねこ3一緒

それが、わたしの望んでいた最良の世界。

数々の分岐点を、一度も誤ることなく
正しく選択出来ていたなら、たどり着けたのだろうか?

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たぶん、時間軸でも俯瞰できない限り
叶わなかったんでしょうね。

とっても残念だし、寂しくて悲しいけれど
みんなでがんばってたどり着いた
結果なんですから、受けいれるべき
なんだと思います。

そして、今回起こったことについては
出来る限り詳細に覚えておかなくちゃ、です。

わたしはまだ、2にゃんと一緒ですから。

もし、おふたりに何かあったとき
その都度その都度で、最良と思われる
選択ができるようになりたいですから。